音声入力のプライバシー設計:音声・文字起こし・整形後テキストの流れ
音声入力のプライバシーは設定によって変わります。OpenTypeless では、録音した音声、STT が返す文字起こし、LLM が処理する整形後テキストという三つのデータを分けて確認することが重要です。
最初に三つのデータを区別する
- 音声:選択した STT 経路へ渡される録音データです。
- 文字起こし:STT から返り、必要に応じて整形へ進むテキストです。
- 整形後テキスト:設定した LLM が文字起こしと指示を処理した結果です。
設定ごとにデータの流れを確認する
マネージド Cloud を選ぶ場合
マネージド Cloud では、対象の音声またはテキストが OpenTypeless のサービスを経由して設定済みのプロバイダーへ送られます。機密情報を扱う前に、現在の利用条件、保存期間、ログ、リージョン、アカウント設定を確認してください。
BYOK の STT と LLM を使う場合
BYOK では、音声は自分で設定した STT エンドポイントへ、文字起こしと整形指示は設定した LLM エンドポイントへ送られます。API キーを自分で用意しても保存方針まで決まるわけではないため、両方のプロバイダー方針を別々に確認します。
Custom Whisper-compatible STT を使う場合
Custom Whisper-compatible エンドポイントは、ローカルまたはセルフホストの STT 経路です。音声は入力したベース URL へ送られます。同じ端末のサービス、LAN、VPN、インターネット上のホストでは経路が異なるため、名称だけで判断せず URL とネットワークを確認してください。
Apple Speech を使う場合
Apple Speech は、対応する macOS 環境で利用できるプラットフォーム固有の STT 経路です。処理方法は macOS、言語、権限、システム設定に依存します。すべての処理が常にオフラインだと仮定せず、使用する端末の現在の動作を確認してください。
Ollama でローカル LLM を使う場合
Ollama はテキスト整形などに使うローカル LLM プロバイダーであり、STT プロバイダーではありません。文字起こしと整形指示は設定した Ollama のベース URL へ送られるため、ローカル処理が必要なら URL とホスト側のネットワークも確認します。
ローカルとクラウドの混在構成を理解する
ローカル STT とクラウド LLM の構成では、音声は設定したローカル STT 経路で処理され、その後に文字起こしと指示がクラウド LLM へ送られます。クラウド STT とローカル LLM の構成では、音声はクラウド STT へ送られ、返された文字起こしがローカル LLM へ渡されます。一方だけがローカルでも、処理全体がローカルになるとは限りません。
機密情報を録音する前の確認リスト
- 選択中の STT プロバイダー、ベース URL、アカウントを記録します。
- 選択中の LLM プロバイダー、ベース URL、アカウントを記録します。
- テキスト整形が有効か、どの文字起こしが渡るかを確認します。
- 保存、ログ、学習利用、リージョン、削除の方針を確認します。
- Custom Whisper-compatible STT と Ollama ローカル LLM の URL がどのホストへ接続するかを確認します。
- アプリ、OS、プロバイダー、方針の変更後に設定を再確認します。
保存・コンプライアンス・リスクの考え方
経路の選択はデータ露出を減らす助けになりますが、コンプライアンスは端末管理、運用者、契約、保存設定、ログ、バックアップ、組織の手続きまで含めて判断します。プロバイダー名だけで GDPR や HIPAA への適合が決まるわけではありません。
代表的な構成の確認ポイント
- Cloud STT と Cloud LLM:両方の処理段階についてサービス条件を確認します。
- BYOK STT と BYOK LLM:二つのアカウントと方針を個別に確認します。
- Custom Whisper-compatible STT と Ollama のローカル LLM:両方の URL と接続先ホストを確認します。
- Apple Speech と BYOK またはローカル LLM:macOS の動作と LLM 経路を別々に確認します。
機密情報を録音する前に設定画面を開き、STT と LLM の選択を確認し、機密性のない内容でテストしてください。設定やプロバイダー方針が変わったときは、このデータフローを見直します。